Web上で地図を扱う場合、(GoogleMapsのように)ベースとなる地図画像の上に、少量の図形を描画するという方法が一般的になってきています。
 具体的にどうやって図形をブラウザ上に表示しているかというと、ブラウザの種類に応じて様々な方法が試みられています。Firefox2では、SVGをサポートしているため、ラインやポリゴンはSVGに変換されてHTMLの中に埋め込まれています。IEではVMLという独自のベクトル描画の仕組みが使用されています。他にもHTMLとCSSを駆使して簡単な図形を描画したり、サーバサイドで画像を生成したりと、様々なテクニックがちりばめられています。出来る限り多くのブラウザで、出来る限り快適に地図を見るための工夫が随所が見ることができます。
GoogleMapsの中では単に図形描画のために使われているSVGですが、国内ではSVG自体を地理情報の標準フォーマットとして扱おうということになってきているようです。

地理情報システムにも「2.0」の流れ、“国産Google Maps”が実現するか!?

Google Maps上でのコンテンツ表示方法は、従来のGISからすると「非常にプア」なものになる。それまで築いてきたGIS資産をGoogle Maps上で提供すると情報量が低下してしまうことがあるとし、「Google Mapsだけで使えるデータにするのではなく、オープンスタンダードを採用したデータに移行していくことが重要だ」と訴えた。

国が提供するSVG地図と“マッシュアップ”したgコンテンツの流通が促進されることを狙い、まずはSVG電子地図ビューアを広く普及させたい考えだ。

「SVG Toolkitの開発」が財団法人日本情報処理開発協会事業で採択
 「SVG Toolkit」が想定するSVG電子地図表示ソフトウェアの動作形態は、現在デスクトップPC上でもっとも多く普及しているMicrosoft社製の Webブラウザ・ソフトウェアInternet Explorerのプラグインソフトウェアとして提供する予定です。また、Windows Vistaにも対応する予定です。

従来のGISと比べたら、GoogleMapsなんてしょぼ過ぎるので、なんとかして「大量のベクトルデータをオープンにWeb上で扱える仕組みを作りたい」ということなのでしょうか。SVG(XML)が交換・流通用フォーマットに適しているというのはよくわかります。
ですが、ブラウザでSVGを直接扱うというのはまた別の話です。
XMLをブラウザで直接扱うには、無駄が多く、あいまいな点が多いことがわかってきています。
無駄が多い点はJSONで解決され、あいまいな点は(GoogleMapAPIのような)ライブラリやフレームワークで吸収するという方法がとられています。
今回開発されるIEプラグインが、GoogleMaps並みにぐりぐり動いて、FirefoxのSVG対応等とも互換性を保ちつつ開発ができるようなものになってくれると大変うれしいです。
2007/3/5追記
ここギコさんの記事によると、開発中のSVGビューワは神速らしい!

IE7.0対応 神速のSVGビューワ見てまいりました