新規事業・成功の〈教科書〉
を献本いただきました。ありがとうございました。

以前に書評を書きました「
新規事業がうまくいかない理由」の実戦編といった内容になっています。前書の書評では「解決手段の提示がいまいち中途半端」と書いたのですが、見事にそれに答えて頂いた内容となっています。

Amazonの内容紹介には以下のようにあります。
これを読んだだけで謝りたくなってしまう人、たくさんいるんじゃないでしょうか?(笑)

こうすれば失敗へとまっしぐら――。
・ 成否の基準が設定されていない。
・ 悪魔のささやき「スモールスタートでやりましょう」を盲信している。
・ 「ユーザーニーズを取り入れる」は耳障りがいいだけの逃げ口上であることを知らない。
・ 「言い出しっぺがやる」という一見フェアな俗説に縛られている。
・ 最初からアイデアマンやバイタリティのあるメンバーを集めてしまう。
・ 「今までにない市場」をマーケティング調査で確認しようとしてしまう。
・ 既存のフレームワークを未来の事業にあてはめようとしている。
・ 提携型ビジネスにおいて、プランがきちんと固まる前に、提携先候補にアプローチしてしまう。
・ 「新しくないもの」「過去失敗したもの」というだけで検討から外してしまう。
・ 意思決定を大規模な会議で得ようとする。
・ ビジネスシードの本当の意味を誤解している。
・ 「新規事業を生み出す器をつくる」と「新規事業自体をつくる」を混同している。

サブタイトルに「200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教える」とあるだけあって、
内容が非常に生々しいです。
・新規事業開発にアサインされたメンバー
・新規事業を指示する社長、役員達、
・既存事業部門の部門長、
それぞれどんなことを考え、新規事業に臨んでいるか。
ほとんど皆「できれば関わりたくない」と思っているようです、、、(笑)


「スモールスタートでやりましょう」
「ユーザーニーズを取り入れる」
「言い出しっぺがやる」

など、耳障りが良くどの企業でも一度は言ってそうな事もバッサバッサと切ってくれます。
自分も教訓にするところが多いです。
「新しくないもの」「過去失敗したもの」というだけで検討から外してしまう。
「それならもうドコドコがやって失敗してるよ」とかつい言ってしまいます。
過去に成功しているほとんどのプロダクトも、その概念自体は古くから存在したものを焼き直していることの方が多いです。
新規事業という言葉とは一見矛盾しますが、事業の内容自体が新規であるかにこだわる必要は少なく、その事業がビジネスに成り得るかどうか、成功するかどうかに注力した方が良さそうです。

第Ⅱ部では、
新規事業を継続的に立ち上げるための仕組みづくり、組織づくり、
立ち上げ資金の運用方法、既存事業部門との取引方法など、
かなり具体的なベストプラクティスを提示しています。

内容はどれも実践的で、特に大企業で新規事業開発に携わる人は必読かと思います。