新規事業がうまくいかない理由
」という本がおもしろかったのでメモ。

   

自分も以前にいわゆる新規事業というものに関わっていたことがありますが、見事に当てはまる事柄ばかりでした。

新規事業と言うと、ベンチャー企業の立ち上げみたいなことを想像してしまいますが、この本では主に、企業内で新しい事業を立ち上げる際に注意すべきことが書かれています。
ベンチャー企業と比べて、一般的な企業の方が人材の質/量ともにそろっていることが多いのですが、「モチベーション」と「ハングリー精神」の点で決定的な違いがあります。
サラリーマンの「モチベーション」と「ハングリー精神」を改善することはまず無理なので、やり方を考える必要があるのです。

考えずに調べてもダメ

やろうとしていることが本当に新規性のある事業なんだったら、いくら調べても良い調査結果がでるわけはありません。マーケットがないとかよく言い訳を聞きますが、新規事業に限っていえばマーケットは作るもんだと思います。
さらに開発コストが小さいWebサービスの分野に限っていえば、考えるのも時間の無駄。まず作れと言いたい。

成功が前提になっている

Webサービスの場合、10個サービスを立ち上げて、一つでも成功すれば大成功と言われています。例えばGoogleの立ち上げたサービスのほとんどは、失敗しています。

意思決定に多くの人が関わりすぎる

意思決定する人には成功体験がありますが、これからやろうとしていることに関しての成功体験を持っている訳ではない。

既存事業のルールや評価基準を適用する

とくに金の流れが既存事業と大幅に違う場合は、別会社にしちゃった方が良いと思います。

アイデアの社内公募はうまくいかない

本当に良いアイデアがある人は、勝手に起業してます。

問題点はいろいろとわかったのですが、解決手段の提示がいまいち中途半端な気もしました。結論的には、専門家(著者?)に相談しろということでしょうか?

優良企業が革新企業に勝てないという点では、「イノベーションのジレンマ」でも似たような問題が指摘されていました。それと既存の成功体験に捕われないという点では、ロジカルシンキングの「ゼロベース思考」が参考になるかと思います。